Hiraku’s diary

特にコンセプトはございません。ご笑覧ください。

「花束のような恋をした」を鑑賞して

※ネタバレを含むので読まれる方はご注意ください。

 

恋愛の現実を目の当たりにさせられた。

 

この映画を見るまで、恋愛映画は「理想と願望が濃縮され、悲しい苦しいシーンはそれを際立たせる背景」だと思っていた。

 

この映画は、その逆。恋愛の悔しさや矛盾、現実的な部分を前面に出し、幸せが背景になる。もちろん、序盤は幸せなシーンが目立った。これから2人の恋愛がどう発展していくのか、ワクワクさせられる。奇跡的とも言える2人の出会いは、まさに運命とさえ思えた。

 

しかし2人で過ごす時間が増えるにつれ、2人にとっての優先順位は少しずつズレ始める。現状維持を行うことが難しくなってくる。2人は猫を飼い始めた。まさかその猫が2人のすれ違いの始まりのシンボルだとは思いもしなかった。

 

あまり話すと長くなるので、残りは感想だけを述べていく。

 

僕は、2人で何をするかとか2人の時間の使い方とか見える範囲のモノに焦点を当てると必ず上手くいかなくなると感じた。うまく行ったとしてもそれは奇跡的な確率で、しかも基本ピークを迎えてしまう。

 

2人の人間がわかり合うことは難しい。しかし同時に、2人は同じ考えを持つことはできると感じた。一言で言うと、「何をするかではなく、なぜそれをするのか。」これを話し合って同じものにしておく必要がある。

 

環境が変わり理想からかけ離れた時ほど、話し合う時間が必要だ。相手を愛することは、相手を理解することではない。相手のモノの見方を理解することだ。それを尊重することだ。好きな相手には当然出来ることだ。

 

相手の見ているモノを見ようとしているかな。

深く考えさせられて2リットルくらい泣いた。

 

いい映画だった。